はじめに:お金の不安が経営を止める前に
「来月の支払い、大丈夫だろうか…」
「通帳残高を見るたびに、胃が痛くなる…」
そんなふうに“お金の不安”が頭から離れない経営者は少なくありません。
事業が伸びていても、資金繰りに追われて毎月が綱渡りのような状態――。
この状態を改善する最初の一歩は、難しい財務知識や会計処理ではありません。
経営者として本当に必要なのは、**「習慣を変えること」**です。
今回は、数字が苦手な方でも今日から始められる、「資金繰りの不安を減らす習慣」についてお伝えします。
資金繰りは“行き当たりばったり”で何とかならない
経営者の多くは「数字を見るのが苦手」「現場優先で動きたい」――
そんな理由で、資金繰りを“なんとなく”で済ませているケースが多く見られます。
でも、事業の成長とともに現金の出入りは複雑になり、
「昨日まで何とかなっていた」が通用しなくなる瞬間が必ずやってきます。
資金繰り不安の根本原因=「予測しない経営」
実は、資金繰り不安の多くは、
「お金の出入りを“予測していない”ことが原因です。
- 今月の入金予定はいくらか?
- 来月の支払合計はいくらか?
- 資金が不足する週はあるか?
これを把握していないから、突然の出費や入金遅れに対応できず、毎回バタバタするのです。
“たった一つの習慣”=「毎週5分、お金と向き合う時間をつくる」
経営者がまずやるべきこと、それは毎週決まった時間に「通帳と向き合う」習慣を持つことです。
時間はたったの5分でOK。
週1回、決まった曜日・決まった時間に行う「お金のチェックタイム」を習慣化しましょう。
▼ 5分習慣のステップ例(週1)
- 【1分】通帳・ネットバンクの残高を確認
- 【1分】今週の入金予定をざっくり書き出す
- 【1分】今週の支払予定をざっくり書き出す
- 【1分】差し引きして、現金残高をイメージ
- 【1分】次週以降の大きな支払い予定をチェック
たったこれだけですが、この習慣だけで「気づいたら資金が足りない」状態を防ぐことができます。
なぜ「たった5分」でお金の不安が減るのか?
✅ “見える化”で脳の不安が落ち着く
人間は「見えないもの」に対して強い不安を抱きます。
残高や支払予定を“数字”で可視化することで、不安は「漠然」から「具体」に変わります。
✅ 脳が「先回り」思考に切り替わる
毎週お金の流れを見ていると、
「来週ちょっと厳しいな」「あの支払い、早めに準備しよう」
といった**“事前の手立て”を考える思考**に自然と変わっていきます。
✅ 気づいたときには「キャッシュフロー経営」が身についている
この5分習慣を3ヶ月続けるだけで、
「資金繰り表なんて作ったことなかった」人でも、自然と月単位でキャッシュを予測する感覚が身についてきます。
習慣化するためのコツ
1. 「曜日と時間」を決める
例:毎週月曜9:00〜9:05
最初はGoogleカレンダーに通知設定するのも◎です。
2. スプレッドシート or 手帳を一元化
見るべき情報は一か所にまとめると継続しやすくなります。
GoogleスプレッドシートやノートでもOK。
3. 終わったら「できた!」を可視化する
たとえばカレンダーに「✔︎」を入れるだけでもモチベーションが保てます。
習慣づけの第一歩は、“続けた自分を認める”ことです。
「資金繰りに強い社長」になるために必要なのは、スキルより“習慣”
経営において、「お金の話」はどうしても後回しになりがちです。
でも、資金繰りの不安は、事業の手を止め、チャンスを逃す最大の原因でもあります。
だからこそ、スキルや知識ではなく、“習慣”でお金の流れに強くなることが近道です。
まとめ:資金繰りの悩みは“コントロールできる”
- 資金繰りに悩むのは、特別なことではありません
- でも、それを放置すると事業は止まります
- 解決の第一歩は、習慣を変えること
- 毎週5分、“お金と向き合う時間”をつくるだけで不安は減る
今日から、カレンダーに「お金チェックタイム」の予定を入れてみましょう。
それが、資金繰り改善の第一歩です。