【解説】レベニュー・ベースド・ファイナンスとは?

目次

1. レベニュー・ベースド・ファイナンスとは

「銀行融資の審査が厳しい…」
「株式を渡さずに資金調達したい…」

そんな課題を解決する新しい手法が レベニュー・ベースド・ファイナンス(Revenue Based Finance:RBF) です。
別名「売上連動型ファイナンス」とも呼ばれ、アメリカのスタートアップを中心に広がり、日本でも徐々に導入が始まっています。


2. レベニュー・ベースド・ファイナンスの仕組み

RBFは、投資家やファンドから資金を調達し、将来の売上に基づいて返済していく仕組みです。

代表的なのは「売上の◯%を返済」という 変動型 ですが、契約内容によっては「毎月の返済額を固定する固定型」も存在します。

  • 変動型(売上連動型)
    → 売上が多い月は返済額も増え、売上が少ない月は返済額が減る。
    → キャッシュフローが安定しやすい。
  • 固定型
    → 毎月の返済額が決まっている方式。ただし最終的な返済総額は「元本+プレミアム」となり、売上に応じて期間が調整されることもある。
    → 投資家は回収予測がしやすいが、借り手にとっては売上が落ちても返済負担が変わらない点に注意。

👉 日本では「固定型」に近い設計の商品が提供されることもあります。


3. RBFのメリット

  • 売上に応じた返済で資金繰りが安定(変動型の場合)
  • 株式の希薄化がない
  • 成長に合わせた柔軟な資金調達

4. デメリット・注意点

  • 売上データの開示が必須
  • コストが高くなる可能性(元本+プレミアムの返済が前提)
  • 業種が限定的(SaaSやECなど売上予測がしやすいビジネスに向く)
  • 固定型の場合は返済負担が変わらないため、売上が下がった時に資金繰りが厳しくなる可能性あり

5. 日本における現状と事例

アメリカではすでにSaaS企業を中心に普及していますが、日本でも徐々に導入事例が増えています。

  • SaaS企業:広告投資や採用費用に活用
  • EC企業:在庫仕入れ資金に活用

銀行融資やエクイティファイナンスに次ぐ、第3の資金調達手段として注目されています。


6. どんな企業に向いている?

  • サブスクリプション型ビジネス
  • 定期購入型EC・D2Cブランド
  • 季節で売上が変動する事業
  • 株式を渡したくない企業
  • 銀行融資が通りにくいスタートアップ

7. まとめ

レベニュー・ベースド・ファイナンスは「銀行融資」と「エクイティファイナンス」の中間に位置する新しい資金調達手段です。

  • 変動型は「売上に応じて返済額が変わるため、資金繰りが安定しやすい」
  • 固定型は「投資家にとって回収予測がしやすい一方、企業には一定の返済負担が続く」

それぞれの特徴を理解し、自社に合う方式を選ぶことが重要です。

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